邑南町にある酪農が盛んな日和高原の牛乳を原料に「ミルクジャム」の商品開発を行いました。

依頼者一般社団法人邑南町観光協会
業務内容・レシピ、サンプルの作成
 原材料の選択と割合の決定
 煮つめ時間、糖度、とろみ、味、色、歩留まりなどの調整
・実機(大型機械等)での試作、調整
・品質検査(島根県環境保健公社へ)
細菌検査、栄養分等
・容器の選別
・食品表示の作成
・ラベル掲載事項の作成
・ラベルデザイン
・マーケティング調査
・食べ方提案
協力者一般社団法人邑南町観光協会、 シックス・プロデュース有限会社
坂根牧場、東京農大前橋教授、 酔心調理成果専門学校

開発の経緯と詳細

邑南町にある酪農が盛んな日和高原。
ここは、江崎グリコ株式会社の全国に5つしかない「特選高原牛乳シリーズ」に選ばれるほど
良質な牛乳がつくられる邑南町が誇るべき高原です。

今から約30年前。地域の諸先輩方が最高品質の牛乳を製造したことで、グリコの厳しい基準を達成し、「日和高原牛乳」の名前で商品化され、その牛乳は地域の誇りとして愛されました。それから、時がたち、グリコ乳業の方針により、現在では邑智郡の生乳を使った「石見高原特選牛乳」として販売されることになり、それから地域の誇りであった「日和高原牛乳」の名前は消えてしまいました。

もう一度、地域の誇りである「日和高原」の名前がついた商品を世に出したい。
おいしい日和高原牛乳を知ってほしい。味わってほしい。その思いは、時を経て「ミルクジャム」として現実のものとなりました。

食の学校の開発内容

ミルクジャムの開発にあたって、レシピとサンプルを複数つくりました。
まず、原材料を選択し、材料の分量を決め、鍋で煮詰めていきます。
材料の分量や煮詰める時間を変え、糖度、とろみ、味、香り、色を変えたサンプルを複数作ります。
また、サンプル毎に歩留まりもチェックしていきます。
こうしてできた複数のサンプルから糖度、とろみ、味、香り、色を確定し、レシピを確定させます。

鍋で作るのと、実際の機械で作るのでは条件が異なるため、実機にて再現を行います。
レシピで決まった材料をレシピの割合でいれ、実機で製造し、サンプルと同じ糖度、とろみ、味、香り、
色になるよう投入する総量や煮詰める時間、かき混ぜる回転数などを調整していきます。

実機で調整したものが、製造用のレシピとなります。食の学校では、レシピ提供だけ でなく、品質検査、容器の選別、食品表示の作成、ラベル掲載事項の作成、ラベルデ ザイン、マーケティング調査、食べ方の提案等の支援も可能です。

こうして開発された「日和高原牛乳のミルクジャム」は、現在、邑南町をはじめとする店舗やネットで販売されています。

本年度(2017年)農林水産省が実施した、地域の農林水産物や食文化を活かした魅力的な産品を発掘するコンテスト「フード・アクション・ニッポン アワード」において、応募のあった1,111産品の中から、全国への流通販路を持つ大手百貨店、流通、外食事業者等が審査する一次審査を通過し、「入賞100産品」に選ばれ、最終審査会において「アワード受賞10産品」に選ばれました。